表題番号:2023C-205 日付:2024/06/16
研究課題農福等連携事業によるウェルビーイング社会構築に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 教授 扇原 淳
研究成果概要

高齢社会の進展に伴い,農村地域での高齢者の増加や農業人口の減少,地域コミュニティの弱体化が指摘されている.近年,地方公共団体や福祉事業者,農業団体などが連携し,地域資源の活用や人材育成などを行う政策や施策が導入されている.しかしながら,農福連携事業について,地域の組織間連携の強化や持続可能性,参加者の満足度,効果測定,資金面,人材育成の課題が指摘されている.

 そこで,本研究では,農福連携事業を展開する2法人を対象に,事業運営に関する課題に関するインタビューとフィールド調査を行った.その結果,生産する農産物の高品質化,利用者の特性に応じた役割の創出,他業種,他機関との緊密な連携による販路創出,社会環境の変化に応じた事業内容の見直し,が事業継続の鍵となっていた.

これらの課題を踏まえ,より効果的な農福連携のモデルや運営方法,地域の特性やニーズに応じた柔軟な地域域社会への普及要因の解明が求められる.