表題番号:2023C-169 日付:2024/04/03
研究課題超高速時間分解分光法による光誘起プラズモン現象の解明
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 国際理工学センター(理工学術院) 准教授 賈 軍軍
研究成果概要

金などの貴金属のプラズモン共鳴周波数は金属の自由電子濃度によって固定され、自由に選択することができない。本研究では、有機半導体であるPEDOT薄膜の正孔濃度を自在に調整する実験手法を開発し、中赤外から可視領域までのプラズモン共鳴波長のチューニングに成功した。また、PEDOT薄膜のプラズモン共鳴波長における異常透過現象が観測され、最大で210%の透過率変化が観測された。超高速時間分解分光法により、この非線形効果はポーラロンの影響によるものと判明した。キャリア濃度が調整可能なPEDOT材料は非常に優れた非線形光学材料となり、プラズモニクスおよびOn-Chipナノフォトニックデバイスにおける新たな応用可能性が期待される。以上の研究成果は、ACS Photonics 10, 3612 (2023)にて公開された。