表題番号:2023C-168 日付:2024/03/29
研究課題バイオセンシング機能を有する高分子マイクロファイバーの開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 講師 土戸 優志
(連携研究者) 理工学術院 先進理工学部 教授 武田 直也
(連携研究者) 先進理工学研究科 生命医科学専攻 大学院生 鷹野 未和
研究成果概要
酵素はその基質特異性の高さから、バイオセンサの分子認識素子として広く用いられている。我々は、代謝モニタリングや疾病スクリーニングを非侵襲的に行うため、酵素を用いた新規生体ガスセンサ材料の開発を進めている。これまでに、補酵素溶液を浸した酵素固定化コットンメッシュを用いて、生体ガスを検出する方法が開発されているが、水溶液中へのガス溶解による拡散に起因する、応答遅延やガスの空間分布情報の低下、さらに水溶液中での酵素の失活を防ぐため、用時調製を要する点が課題であった。そこで我々は、生体ガス中の揮発性有機化合物の一つであるエタノールガスを、蛍光検出し得る高感度センサ材料と、独自の光学的検出装置の開発を進めている。検出を担う分子と補因子を高分子と混合して電界紡糸することにより、マイクロファイバーメッシュ状のガスセンサを作製した。比表面積の大きなマイクロファイバーをメッシュ状加工したことにより、エタノールガスの検出感度が向上することが明らかとなった。また、種々の高分子を担持体としたガスセンサを作製してエタノールガス検出機能を定量的に解析した。また、種々の材料解析手法によりガスセンサの構造と応答機能を解析し、高分子材料の最適化を行った。