表題番号:2023C-159 日付:2025/09/15
研究課題エピタキシャル圧電薄膜を用いた高感度バイオセンサの開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 柳谷 隆彦
研究成果概要

QCM(Quartz Crystal Microbalance)は水晶振動子の電極表面に分子層が付着した際、Sauerbrey式で定義された関係より質量付加効果による共振周波数の低下から生体物質の相互作用を検出する。しかし、Sauerbrey式は分子層が剛体であることを前提としており、付着した分子層が粘弾性体である場合は粘弾性による影響は正しく評価できない。界面に高分子が吸着した状態の複素音響インピーダンスを直接測定できれば、超高周波帯のQCM測定結果の解釈の一助となる。また、生体材料の相互作用による粘弾性変化の解明は、分子層の構造および架橋や崩壊といった構造変化を明らかにすることにつながることが期待される本研究では横波の高い電気機械結合を持つScAlNの薄膜を用いて、音波の反射界面で起こったビオチンーストレプトアビジン結合由来の生体分子相互作用による音波の反射率の変化を測定した。

 

はじめにバッファーとして用いたリン酸緩衝液を流し反射係数が安定した状態から測定を開始した。フローセルに流速300ml/min10mg/ml Peroxidase Streptavidin および2000倍希釈したRabbit anti Goat IgG 抗体 Biotin標識を流した。反射係数の振幅及び位相が試薬を投入後に減少していることが確認された。