表題番号:2023C-154 日付:2024/02/20
研究課題One-bead-2^n-peptidesライブラリからのヘテロキラルな生物活性ペプチド探索法の確立
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 小出 隆規
研究成果概要
抗ペプチドモノクローナル抗体を標的タンパク質としてone-bead-2^n-peptides (OB2^nP)ライブラリからのエピトープ(あるいはそれを模倣するペプチド)の取得について検討した。 ビオチン―ストレプトアビジン結合を利用した複数のシグナル増幅法を試した結果、一定の感度の向上はみられたものの、目標とする8アミノ酸以上のOB2^nPライブラリへの適用には至らなかった。また、親水性表面を有するペプチドの固相単体ビーズの種類を複数検討したが、いずれも顕著な感度の向上は観察されなかった。一方、紫外線による光架橋を利用する、ペプチドビーズと標的タンパク質との供給結合形成による複合体安定化は、もっとも良好な検出感度を与えた。今後は、この共有結合架橋の条件をより精査することにより、方法論としての確立を目指す。 1ビーズ上に提示されたペプチドのアミノ酸配列の決定法については、従来のエドマン分解法に加え、MALDI-TOF型質量分析器による配列解析法を検討した。アンモニア蒸気により1ビーズから切り出された数10 pmol程度のペプチドから配列解析が可能であることが示された。しかしながら、ペプチドの物性によりそのスペクトルにおけるシグナル強度が大きく異なり、配列を解読できる歩留まりはいまだ満足できるものではない。