表題番号:2023C-151
日付:2023/11/07
研究課題パラジウム触媒を用いたカルバモチオエートの環化異性化反応
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学術院 先進理工学部 | 教授 | 中田 雅久 |
- 研究成果概要
パラジウム触媒を用いたS-フェニルメチル(2-(プロプ-1-エン-2-イル)フェニル)カルバモチオエートから1,3-ジメチル-3-フェニルチオメチルインドリン-2-オンへの変換に収率98%で成功した。この反応はPd触媒としてCX-21を使用し、リン酸カリウム、BTBSAの添加とキシレン溶媒中で還流する反応条件が必要であった。開発した反応には一般性があり、S-フェニルメチル(3-メチルブト-3-エン-1-イル) カルバモチオエートから1,3-ジメチル-3-フェニルチオメチルピロリジン-2-オンへの変換も収率92%で進行し、架橋環をもつ3-メチル-5-フェニル-1-((フェニルチオ)メチル)-3-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-オンは収率70%、3-メチル-5-フェニル-1-((フェニルチオ)メチル)-3-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-2-オンは収率98%で得た。この反応は副生成物を産出しない低環境負荷型反応であるとともに構築困難な第4級炭素の形成を伴う環化異性化反応である。今後、含窒素多環式天然物の新規骨格構築法開発へ繋がる研究を行う。