表題番号:2023C-145
日付:2024/04/06
研究課題非従来型原子層超伝導における基板依存性の解明
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
---|---|---|---|
(代表者) | 理工学術院 先進理工学部 | 准教授 | 高山 あかり |
(連携研究者) | 早稲田大学 | 修士2年 | Lars Konermann |
(連携研究者) | 早稲田大学 | 学部4年 | 孝橋麟太郎 |
(連携研究者) | 佐賀大学シンクロトロン光応用研究センター | 助教 | 今村真幸 |
(連携研究者) | 佐賀大学シンクロトロン光応用研究センター | 教授 | 高橋和敏 |
(連携研究者) | 広島大学放射光科学研究センター | 助教 | 角田一樹 |
(連携研究者) | 広島大学放射光科学研究センター | 准教授 | 宮本幸治 |
(連携研究者) | 広島大学放射光科学研究センター | 教授 | 奥田太一 |
(連携研究者) | 高エネルギー加速器研究機構物質構造研究所 | 助教 | 望月出海 |
- 研究成果概要
- Rashba効果によるスピン分裂した電子状態を持つ系での超伝導は、スピン三重項超伝導の可能性が予測され、非BCS的な超伝導物質の候補として現在精力的に研究が行われている。本研究グループでは、このRashba型超伝導体の解明に向けて、表面原子層合金による超構造を対象としてこれまで研究を行っており、非BCS的超伝導ギャップの観測などを報告してきた。Rashba型超伝導においては、超伝導転移温度TcとRashba効果の大きさの関係性は、超構造の平坦性、すなわち基板との相互作用に起因する構造にも関連することが予測されているが、Rashba型超伝導となる候補物質自体が少ないことが物性解明の課題となっていた。最近、新たな候補物質となる(Pb, Bi)超構造の存在が報告され、本研究では、SiおよびGe基板上に作製した試料を用いて、角度分解光電子分光(ARPES)による電子状態の観測を行った。実験の結果、いくつかの構造で金属的な電子状態を観測したが、我々の観測した電子状態は理論予測とは異なっており、提案された構造モデルとは異なる構造をもつ可能性が示された。(Pb, Bi)合金系においては、SiとGe基板で作製できる超構造の種類やBiとPbの組成比に違いがあることが実験により再現された。また、スピン分解ARPES実験により、これらの電子状態がスピン偏極を持つことを初めて観測した。さらに、これらの物質について全反射高速陽電子回折(TRHEPD)実験による構造解析を試みた。本研究では合金に加え、Pbのみ、Biのみの表面超構造も作製して測定を行い、これらの構造との比較も行うことで、表面合金の形成過程についても議論した。角度分解光電子分光実験の結果については、国内・国際学会での発表を行い、現在論文執筆中である。@font-face {font-family:"Cambria Math"; panose-1:2 4 5 3 5 4 6 3 2 4; mso-font-charset:0; mso-generic-font-family:roman; mso-font-pitch:variable; mso-font-signature:-536870145 1107305727 0 0 415 0;}@font-face {font-family:游明朝; panose-1:2 2 4 0 0 0 0 0 0 0; mso-font-charset:128; mso-generic-font-family:roman; mso-font-pitch:variable; mso-font-signature:-2147482905 717749503 18 0 131231 0;}@font-face {font-family:"Apple Color Emoji"; panose-1:0 0 0 0 0 0 0 0 0 0; mso-font-charset:0; mso-generic-font-family:auto; mso-font-pitch:variable; mso-font-signature:3 402653184 335544320 0 1 0;}@font-face {font-family:Cambria; panose-1:2 4 5 3 5 4 6 3 2 4; mso-font-charset:0; mso-generic-font-family:roman; mso-font-pitch:variable; mso-font-signature:-536870145 1073743103 0 0 415 0;}@font-face {font-family:"\@游明朝"; mso-font-charset:128; mso-generic-font-family:roman; mso-font-pitch:variable; mso-font-signature:-2147482905 717749503 18 0 131231 0;}p.MsoNormal, li.MsoNormal, div.MsoNormal {mso-style-unhide:no; mso-style-qformat:yes; mso-style-parent:""; margin:0mm; text-align:justify; text-justify:inter-ideograph; mso-pagination:none; font-size:12.0pt; font-family:"游明朝",serif; mso-ascii-font-family:游明朝; mso-ascii-theme-font:minor-latin; mso-fareast-font-family:游明朝; mso-fareast-theme-font:minor-fareast; mso-hansi-font-family:游明朝; mso-hansi-theme-font:minor-latin; mso-bidi-font-family:"Times New Roman"; mso-bidi-theme-font:minor-bidi; mso-font-kerning:1.0pt;}.MsoChpDefault {mso-style-type:export-only; mso-default-props:yes; font-size:12.0pt; mso-ansi-font-size:12.0pt; mso-bidi-font-family:"Times New Roman"; mso-bidi-theme-font:minor-bidi; mso-ligatures:none;}div.WordSection1 {page:WordSection1;}Rashba効果によるスピン分裂した電子状態を持つ系での超伝導は、スピン三重項超伝導の可能性が予測され、非BCS的な超伝導物質の候補として現在精力的に研究が行われている。本研究グループでは、このRashba型超伝導体の解明に向けて、表面原子層合金による超構造を対象としてこれまで研究を行っており、非BCS的超伝導ギャップの観測などを報告してきた。Rashba型超伝導においては、超伝導転移温度TcとRashba効果の大きさの関係性は、超構造の平坦性、すなわち基板との相互作用に起因する構造にも関連することが予測されているが、Rashba型超伝導となる候補物質自体が少ないことが物性解明の課題となっていた。最近、新たな候補物質となる(Pb, Bi)超構造の存在が報告され、本研究では、SiおよびGe基板上に作製した試料を用いて、角度分解光電子分光(ARPES)による電子状態の観測を行った。実験の結果、いくつかの構造で金属的な電子状態を観測したが、我々の観測した電子状態は理論予測とは異なっており、提案された構造モデルとは異なる構造をもつ可能性が示された。(Pb, Bi)合金系においては、SiとGe基板で作製できる超構造の種類やBiとPbの組成比に違いがあることが実験により再現された。また、スピン分解ARPES実験により、これらの電子状態がスピン偏極を持つことを初めて観測した。さらに、これらの物質について全反射高速陽電子回折(TRHEPD)実験による構造解析を試みた。本研究では合金に加え、Pbのみ、Biのみの表面超構造も作製して測定を行い、これらの構造との比較も行うことで、表面合金の形成過程についても議論した。角度分解光電子分光実験の結果については、国内・国際学会での発表を行い、現在論文執筆中である。