表題番号:2023C-139 日付:2024/04/05
研究課題短焦点アト秒極端紫外光学系の構築
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 新倉 弘倫
研究成果概要
アト秒レーザーパルス(高次高調波)は、極檀紫外領域の波長領域であり、気相の原子や分子に照射することで生成する。生成した高次高調波は、赤外光などと組み合わせて、再度、気体や固体などの試料に集光し、イオン化過程により発生した光電子や、また試料を透過または反射したときに生じる吸収スペクトルとなどを時間分解で測定することで、試料内部やイオン化に伴う電子ダイナミックスなどを測定する。これまで当研究室では、アト秒パルスを集光するための光学系として、焦点距離270mmのトロイダルミラーを使用していた。広がったパルスを再度集光するため、ミラーから資料までの距離はその倍の540mmである。本研究課題では、より集光点の大きさを小さくし、資料と高次高調波との相互作用領域を減少させ、かつ高次高調波の強度をあげることを計画した。そのため、・いったん広がった高次高調波パルスを平行光に戻し、平行光のままで別な真空チャンバーまでガイドして、そこから再度、集光するという光学系の構築を続いて行った。光学系には、放出された光電子の運動量分布測定のためのvelocity map imaging装置と、その領域を通過した高次高調波のスペクトルを測定するための分光計を設置する。それぞれ、VMIおよび分光計ではCCDカメラで、スペクトルを測定する。また、時間分解測定のためには、赤外パルスなどと高次高調波との時間差をアト秒精度で変化させる。これらは、コンピューターで制御される。その制御のためのプログラムの作成を行った。これらの光学系と測定制御系は、引き続き、構築をつづける予定である。