表題番号:2023C-136 日付:2023/11/09
研究課題固体酸化物形燃料電池を利用した水素キャリアからの直接発電技術の研究開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 福永 明彦
研究成果概要
カーボンフリーな水素社会実現の為には、水素サプライチェーンの構築が必要である。なかでも有機ハイドライドは既設インフラを利用できることから、水素キャリアとして大変有望視されている。前年度までの研究において、SOFCを利用してメチルシクロヘキサンから直接発電することに成功した。得られた生成物は、セル温度が420℃の際は、トルエンとベンゼンであり、セル温度が490℃と高い際は、加えて、1-3ジオキサンが多く生成することが判明した。今年度は、燃料電池の運転温度を下げるためにプロトン伝導体であるBZYを電解質として用いたプロトン伝導型のSOFCの開発を試みた。アノード電極はBZYとニッケル酸化物を混合し作製した。電解質の焼成温度およびアノード厚さの最適化を行うことにより発電可能な燃料電池の製作に成功した。しかしながら、カソード電極のLSCF層には剥離が認められ、高い発電性能が得られなかった。加えて、有機ハイドライドの一つであるシクロヘキサンからの直接発電にも取り組んだ。生成物を解析中である。