表題番号:2023C-126
日付:2024/07/18
研究課題脳磁図の時間分解多変量パタン解析による言語の形式と意味を繋ぐシステムの解明
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学術院 創造理工学部 | 教授 | 酒井 弘 |
- 研究成果概要
人間は言語を使用するために、単語の意味と形式に関する表象を長期記憶中に貯蔵していると考えられてきた。近年の研究成果によって、これらの心内表象を大脳皮質全域に分散的に表現された神経活動として捉える試みが進行してきたが、まだどのようなタイミングで神経活動として意味と形式のそれぞれが表現されているかは、十分にわかっているとは言い難い。そこで本研究では、同一の対象物について、その名称の文字表記を読み上げる際の神経活動と、その対象物のイメージを口頭で命名をする際の神経活動を脳磁計を使用して記録し、機械学習を使用してクロスデコーディングを行った際の正答率がどのように時間的に変動するか探る解析を行った。これによって、入力モダリティから独立した単語の心内表象が、いつどのように神経活動として捉えられるかを探った。試験的な解析の結果を2023年9月に開催された思考と言語研究会(東京大学駒場キャンパス)において発表し、さらに解析アルゴリズムを改良して、10月に開催されたAnnual Meeting of the Society for the Neurobiology of Language(マルセイユ:フランス)において発表を行った。2023年12月には、再び東京電機大学において改良された実験パラダイムを使用した計測実験を実施し、2024年度中の学会発表を目指して解析に取り組んでいる。