表題番号:2023C-119 日付:2024/04/10
研究課題多様な形状変化が生じる物体と物体群の動画像からの動き認識に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 創造理工学部 教授 大谷 淳
研究成果概要
(1)手術工程認識
脳腫瘍摘出手術は複雑かつ難易度が高い手術である。手術参加者への支援の一つとして、本研究では手術室内の高い位置に設置した術場カメラから取得した俯瞰視点の動画像を用いて脳腫瘍摘出手術の工程認識を行う方法を検討した。具体的には、工程の細分化とそれに伴う工程認識の精度改善方法を検討した。一部の細分化した工程の認識精度に問題があったため、解決方法を考察した。
(2)ドローンによる災害検出と災害時の車両経路最適化
災害時に倒壊した建物や土砂の下敷きとなった人命救助のため、本研究ではクワドロコプタにマイクロホンアレイを搭載し,生存者の発する声を捉え,その位置を特定する方法の検討を行った. 災害現場を PyRoomAcoustics を用いてモデリングし,このモデルに基づきMUSIC 法を用いる音源定位の手法を検討した.シミュレーション環境内の様々な条件での音源定位の精度を評価し,本手法の有効性の見通しを得た。 
一方、自然災害により、多数の通信基地局で停電が生じた場合、各基地局を移動電源車で効率的に巡回・給電することが早期復旧のために重要である.本研究では、道路状況の把握のため、Deep Neural Network(DNN)の教師なし表現学習に基づく方法を検討するとともに、配車計画の自動策定のため、複数台・複数タイプの車両を対象とした配車計画問題に対する手法の検討に取り組み、実環境データへの有効性の見通しを得た。
(3)森林探索用ロボット
近年、里山の荒廃が顕著になり,人間の代替として定期的に森林のモニタリングを行い,不法投棄や倒木などの異常を発見する自律移動ロボットの開発が求められている.本研究では,森林で自然的に発生する四季の変化に起因する草木や、影などの変化と,不法投棄や倒木などの異常を区別することを目的とし,森林モニタリングロボットに搭載したカメラから撮像される動画像に対して、深層学習よる異常検知手法を施す方法を検討し、有効性の見通しを得た.