表題番号:2023C-112 日付:2024/04/05
研究課題持続可能な低炭素型サプライチェーンマネジメントのための進化型計算手法の開発
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 創造理工学部 教授 谷水 義隆
研究成果概要
20世紀末より,環境に配慮したグリーンサプライチェーンの構築および運用に関する最適化手法が必要とされている.製造企業において低炭素型社会を構築し,維持するためには,環境負荷を低減するだけでなく,継続的な経済的優位性を保持する生産マネジメント手法が必要である.本研究では,製造企業を表すSupplierと,顧客を表すClientの2つの要素で構成される2階層サプライチェーンにおいて,Supplierの生産ラインの消費電力量から製造時に排出される二酸化炭素の排出量を推定し,輸送時だけでなく製造時も含めた二酸化炭素排出量を計算することで,より精巧な低炭素型サプライチェーンモデルを構築した.これに基づき,生産スケジュールと輸送スケジュールを同時に改善することで,Supplierの利益の最大化だけでなく,輸送時の二酸化炭素排出量の最小化を同時に考慮する低炭素型サプライチェーンマネジメント手法を提案した.ここでは,生産ラインの工作機械が加工を行っていない時に電源を切るアイドリングストップの影響を評価する計算モデルを構築し,アイドリング状態あるいはその停止状態を考慮して,最適な生産スケジュールを決定する手法を提案した.さらに,計算機実験を行い,生産スケジュールを改善し,機械加工が連続する状況に応じて適切にアイドリングストップを適用することで,生産活動中における二酸化炭素排出量を効果的に削減できることを検証した.