表題番号:2023C-099 日付:2024/02/05
研究課題蛍光ナノダイヤモンドのバイオセンサー応用
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 教授 谷井 孝至
研究成果概要
ダイヤモンド中の窒素-空孔欠陥(以下、NVセンター)は、優れた蛍光特性をもつ。レーザを照射し続けても蛍光退色せず、水溶液中でも安定に蛍光する。また、周囲の電場や磁場に感応して蛍光強度が変化するため、バイオセンサーとしての応用が期待できる。しかしながら、NVセンターは電子の数によって、NV+、NV0、NV-なる3つの荷電状態をとり、それぞれ異なる蛍光スペクトルを示すため、電場や磁場に感応して蛍光強度が変化したのか、それとも、荷電状態が変化して蛍光強度が変化したのかをリアルタイムに区別することが難しい。そこで、倒立型レーザ走査型共焦点顕微鏡の試料ステージに電気化学セルを構築し、これを表面にITO薄膜を有するガラスボトムディッシュかつAg/AgCl電極に対してITO表面電位を制御できるようなものとした。これにより、ITO表面に付着させたナノダイヤモンドを溶液とITOとで挿みこんで、電界を印加できるようにした。さらに、共焦点顕微鏡に分光器を新たに付加して、ITO表面電位を制御しながらナノダイヤモンド中のNVセンターの蛍光スペクトルを取得できるようにした。詳細なデータを現在取得・解析中であるが、得られた成果は下記の応用物理学会にて報告する。