表題番号:2023C-091 日付:2024/03/23
研究課題構造保存型数値解法を用いたEinstein方程式の実現象の数値計算について
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 教授 米田 元
研究成果概要
アインシュタイン方程式は拘束条件付き時間発展方程式系であり,解析的には初期でのみ拘束条件を解いておけば時間発展後も拘束条件は満たされる。数値解析する際には,初期で拘束条件を解いておいても,時間発展後に徐々に拘束条件が満たされなくなっていくことが多いので,数値計算に工夫が必要である。ここでは拘束条件を使って発展方程式に補正を加える作戦を考えた。今年度の成果は,大きくわけて2種類あり,1つは拘束条件が時間発展後も保たれるような構造を作ること,もう1つは時刻ごとに補正を最適化する方法がある。前者については先行研究ではなかった一様時空を背景とした数値計算前に安定性を予測することに成功し,数値実験を行って有効性を確かめた。後者については,最適化の方法をいくつか提案し,テスト計算によってその有効性を比較する成果発表を行った。