表題番号:2023C-087
日付:2024/02/09
研究課題遠心圧縮の羽根付ディフューザ内部で発生する失速予兆現象に関する調査
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学術院 基幹理工学部 | 講師 | 藤澤 信道 |
- 研究成果概要
本研究では、遠心圧縮機の幾何形状がもたらす非軸対称性により発生するディフューザ旋回失速発生前の失速予兆現象の流動構造を解明することを目的とする。試験と数値解析を組み合わせ失速予兆現象の非定常的な挙動を分析することで失速セルおよび予兆現象の形成過程を調査した。失速予兆現象発生時の内部流れ場の特徴を捉えるために、非定常の数値流体解析を実施する。また、ディフューザ流路壁面の壁面圧力計測およびディフューザ流路内での流速の同時多点測定を行い、その非定常現象の特性を解析結果と比較検証する。
ディフューザ流路壁面の圧力測定および非定常数値解析より、サージ形成前に5つの旋回失速セルが発生することが明らかになった。この失速セルは、5つの流路内部の失速域が流量低下とともに旋回し始めることで、形成していることが分かった。また、渦型室による非軸対象の圧力場の影響を排除するために、渦型室を無くした非定常解析を実施した。この解析結果より、旋回失速発生前にディフューザにて5つの静止した失速域が形成していることが分かった。このため、この5つの静止した低速域は渦型室の影響で発生したのではなく、ディフューザ流路にて発生するモードであることが分かった。次年度は、周方向の多点圧力測定より、静止した5つの低速域を試験において確認する。