表題番号:2023C-082 日付:2024/02/05
研究課題機械学習を用いた自動プログラミングによる量子アニーリングの応用
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 教授 戸川 望
研究成果概要
 量子技術の中でも「量子アニーリング計算機」は,内部に「スピン」の集合から構成されるイジング模型を持ち,その基底状態(最小エネルギー状態)を求めることで組合せ最適化問題を高速に解法することが期待される.産業応用が近く,内閣府「量子未来社会ビジョン」で注目される一方,量子アニーリング計算機を利用するには,組合せ最適化問題を説明バイナリ変数(以降,単に説明変数と呼ぶ)の「2次形式」で表現されるエネルギー関数に落とし込む必要がある(量子アニーリング計算機のプログラミングに相当する)が,実問題や実物理現象を説明変数の「2次形式」で表現することは極めて難しい,あるいは不可能である.

 本研究では,機械学習を利用することで量子アニーリング計算機のプログラミングに注目することで,実問題や実物理現象を「2次形式」で自動的に十分よく近似表現する仕組みを構築し,さらに特定の拾産業問題に適用して,その有効性を評価する.特に,今年度採択されたNEDO量子AI事業を補完し,提案技術の有効性を評価するための基盤技術研究開発を行った.