表題番号:2023C-047 日付:2024/03/03
研究課題アタッチメントと自己調整学習の関係
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 教授 上淵 寿
研究成果概要

目的 対人関係やパーソナリティの基礎となるアタッチメントと,学習に結びつく動機づけ(興味・好奇心)や実行機能(行動をコントロールする心理能力)との間には,一定の関係が見出されている。しかし,上記の動機づけや実行機能と関係の深い,自己調整学習(学習者が自らの学習を積極的に制御・調整する学習形態)と,アタッチメントとの関係についての研究は非常に少ないのが実情である。そのため,両者の関係を検討するために,新たに調査を行った。

方法 研究参加者 20代から50代の998名。

材料 アダルト・アタッチメント・スタイル尺度(古村・村上・戸田, 2016)と成人の自己調整学習尺度(石川・向後, 2016)を使用した。

手続き web上で回答に同意した研究参加者に上記の尺度を回答してもらった。

結果と考察 アタッチメント尺度得点と自己調整学習の尺度得点の相関を調べた。その結果,全体として,不安と自己調整学習方略との相関は低く(0.11程度),一方,回避(ただし,得点が高いほど回避しない方向性)と自己調整学習方略はばらつきはあるものの,低~中程度であった(.14.42程度)。ゆえに,アタッチメントの中でも回避次元と自己調整学習全般とに一定の関係があることが見出された。今後はさらに調査を進めて,この結果について検討したい。