表題番号:2023C-042 日付:2024/04/03
研究課題19世紀を中心とした軍事的学知をめぐる人と書物の交錯
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 教授 谷口 眞子
研究成果概要
2019年度より5年間にわたり、科研費基盤研究(A)「19世紀を中心とした軍事的学知をめぐる人と書物の交錯」を受けて行っている研究活動の補完的支援のため、2023年度特定課題「研究基盤形成」に応募した。現在、国民国家が形成された19世紀を中心とし、軍人のグローバルな移動による人的ネットワークと、軍事関連書の翻訳・流通・受容という分析視角から、軍事的学知を研究している。本特定課題全額に旅費30万円を申請したのは、2023年8月17日~20日の4日間にわたり、ベルギーのゲントで開催されるEAJS(ヨーロッパ日本研究協会)の大会に参加して、最新の研究動向を把握し、ブリュッセルの王立軍事歴史博物館を見学し、早稲田大学のブリュッセル・オフィスを訪ねて、国際会議が開催できるかどうかを判断するためであった。8月16日にはブリュッセルの王立軍事歴史博物館(Royal Museum of the Armed Forces and of Military History)を視察した。展示は陸海空に分かれていたが、あいにく1815-1914の陸軍のコーナーは改修中で入れなかった。1840年に一般兵役義務が課されたあとの時期が展示の中心で、海が近いため海岸防備などには日本との類似性を感じた。8月17日~20日まで開催されたEAJSでは、本研究と深く関連し印象に残ったパネルとして「Foreigners in Bakumatsu and Meiji Japan」「The burden of civilian lives: military conduct and the protection of civilians in the second Sino-Japanese war, 1937-1945」「The military-ideological complex of the Japanese empire」「From law to art: a reappraisal of Tomii Masa’akira’s contributions to Meiji modernity」があった。8月22日には早稲田大学のブリュッセル・オフィスを訪ねた。ブリュッセル中央駅からバスで30分ほどのブリュッセル自由大学から、徒歩10分ほどのビルの一室にあり、事務担当のMOORTGAT氏より会議室の設備や利用状況、大会議室が大学から借りられるかどうかなどを、具体的に教えていただいた。