表題番号:2023C-033 日付:2024/04/05
研究課題桂ゆきの1930-1960年代の作品を通した対話
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文化構想学部 教授 関 直子
研究成果概要

*研究の概要

本研究では、1930年代から半世紀にわたり活動した美術家、桂ゆき(1913年−1991年)が、内外の様々な作品の画像を参照し、異なる表現方法(コラージュ、細密描写、戯画的表現)を併存させながら絵画制作を展開したことについて、先行する画家との作品を通した対話という視点から、その制作過程を明らかにし、戦争を挟む時期の日本の画家の制作の多様なあり方とその意味の考察を進めた。

 

*調査

主に個人コレクター等が所蔵する作品の調査を行い、桂研究の基盤整備の一環として、作品のデータベースの作成の作業を進めた。

 

*研究の実績

調査を踏まえ、桂の活動を、1930年代から1950年代にかけて創作活動を開始した異なる世代の女性美術家の仕事と比較し、不寛容な時代を経験したことから展開した、高度に重層化された寓意表現と、表現方法の革新性について分析を試みた。その内容は

“Female Pioneers of Contemporary Art in Tokyo” Visiting Artist & Scholar Lecture Series, University of Colorado, March 11, 2024 において論じた。