表題番号:2023C-014 日付:2024/04/03
研究課題文章作成支援ツール活用による英文の質的向上
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 法学部 教授 原田 康也
研究成果概要

近年各種の言語コーパスの拡充と自然言語技術の急速な展開により、DeepL などの機械翻訳や ChatGPT などの生成人工知能の出力品質が向上し、英語を学ぶ者にとって充実した英語学習環境が実現しているにもかかわらず、英文作成の課題を課しても自ら英語で書こうと努力する意思が希薄化し、日本語で作成した文章を機械翻訳任せで英語にしたり、日本語で回答原案を作成することもせず生成人工知能任せで作成した英語の回答をそのまま提出するなどの安易な対応の可能性と実例が問題となっている。本特定課題研究では母語話者コーパス・学習者コーパスなどの言語資源の充実や機械学習などの技術的進展により著しい機能向上を見せる文章作成支援ツールを活用することにより、日本人英語学習者の英文がどのような質的向上を見せる可能性があるか、また、そうした質的向上に向けての修正提案が学習者の英文作成能力の向上に資する可能性があるかという課題を中心として、國立清華大學(中華民国・台湾)の資訊工程系自然語言系統實驗室Jason S. Chang 博士・神戸学院大学グローバルコミュニケーション学部森下美和准教授ほかと継続的に検討し、その成果についていくつかの学会・研究会等で発表した。発表では、國立清華大學で開発・運用中の文章作成支援システムに日本人大学生が作成した英文を入力したときにどのような修正提案が得られるか、これがどの程度の英文の質向上ならびに学習者の英文作成能力向上につながる可能性があるか、英語担当教員の主観評定をもとに整理した上で、こうした支援システムを英語の自律的相互学習にどのように取り入れるか検討した結果について報告した。