表題番号:2023C-001 日付:2024/04/01
研究課題非代数的保存量をもつ可積分系の離散化とその感染症数理モデルへの応用
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 政治経済学術院 政治経済学部 教授 野邊 厚
研究成果概要
周期的境界条件のもとで可積分系であることが広く知られているVolterra格子に対して、境界での値が一定という非周期的境界条件を課したHamilton系は一般に可積分ではない。しかし、そのような系の中でとくに可積分となる場合に、代表的な感染症数理モデルであるSIRモデルおよびそのワクチン接種を考慮した拡張モデル(SIRワクチン接種モデルが含まれることを示した。また、微分幾何学的視点からそれらの感染症モデルのシンプレクティック多様体としての構造を明らかにした。さらに、SIRワクチン接種モデルは第1種Abel方程式へ変換可能であり、その変換を援用するとLambertのW函数を用いて一般解を陰的に構成できることを示し、Lamber曲線と適当な直線との交叉を用いて、SIRワクチン接種モデルの可積分な離散化を構成した。