表題番号:2022R-054 日付:2023/03/16
研究課題積極的な指値注文の役割に注目した為替レート価格発見過程の再考
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 教授 北村 能寛
研究成果概要

指値注文は価格発見に貢献しないと考え、現状の価格発見理論モデルでは成行注文のみに注目する。指値注文(価格、取引量を指定)は流動性供給、成行注文(取引量のみを指定)は流動性需要と分類される。

本研究の目的は、為替レート価格発見においてその役割が無視されてきた指値注文に注目し、その価格発見における役割を実証的に明らかにすることである。指値注文の役割を無視し、成行注文の役割を前提としてきた現状の価格発見理論モデルの前提を覆す試みとなる。具体的には、最良価格を更新する積極的な指値注文(以下、積極的指値注文)の為替レート価格発見に注目した。価格発見とは、情報トレーダーの保有する排他的(私的)情報を、その情報トレーダーの取引、注文を介して為替レートが発見することである。