表題番号:2022R-043 日付:2023/01/26
研究課題高等学校数学科における目的づけられたSRP実践に向けたタスクデザインのための数学的知識の認識論的分析
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 本庄高等学院 教諭 成瀬 政光
研究成果概要
 本研究の目的は,高等学校数学科で,学習すべき数学的知識が定まっており,探究を前提としない科目における探究ベースの学習活動の可能性を検討することである.本研究では探究活動を教授人間学理論(ATD) に依拠したSRP(Study and Research Paths)という探究の枠組みでとらえ(シュバラール,2016),学習すべき数学的知識が生じ,かつ,生徒にとってその数学的知識を学習するための「存在理由」が感じられるような探究のための問いを設計する.
 本研究では,高等学校の定積分の単元に着目し,タスク設計を行う.本課題では,(1)定積分に関する基本認識論モデルの構築,(2)基本教授モデル構築への示唆を与える予備実験,をそれぞれ行った.課題(1)では,ATDにあるプラクセオロジー分析を用いて定積分についての概念や定理・公式の存在理由を明らかにすることができた.課題(2)では,予備実験を通じて,成果(1)を用いたタスクの設計が効果的であることを確認し,課題(2)における基本教授モデル構築のための留意点を確認することができた.