表題番号:2022R-041 日付:2023/04/05
研究課題SNSの非対面コミュニケーションにおける言語行動の実態解明と談話管理モデルの構築
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 日本語教育研究センター 講師 吉田 好美
研究成果概要

本研究課題では、2021年度「SNSでの談話管理の実態に関する研究」の継続課題の実行と、これまでの研究成果を教育現場に還元すべく授業実践を行った。

継続課題では、対面と非対面(LINE)の断りにおいて、終結部の談話管理について比較し考察を行った。分析を精緻化したところ、非対面の断りの終結部において、【再接触の約束】や【別れの挨拶】の表出が減少し、断り手の負担が軽減され、断りのコミュニケーションスタイルの変化が生まれる可能性が示唆された。研究成果は「断り談話の終結部に関する研究ー対面と非対面(LINE)の比較-」として論文化をした。授業実践では、断りや勧誘といった言語行動についての指導のみならず、語用論的観点から日本語という言語をとらえる視点を養うべく、日本語学習者に語用論的観点から日本語という言語をとらえるための指導を行った。これまでの研究成果を学習者に伝え、日本語と自国の言語のコミュニケーションスタイルの違いを考え、日本語の「適切さ」について言語を捉える視点を養うようにした。実践の内容は「語用論的観点から日本語について考える授業の実践報告」で口頭発表を行った。