表題番号:2022R-025 日付:2023/04/03
研究課題C-H結合活性化とチェーンウォーキングによる遠隔位への官能基導入と不斉合成
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 柴田 高範
研究成果概要
遷移金属触媒を用いたC–C二重結合の異性化もよく知られたプロセスであり、特に、炭素鎖に沿って連続的に異性化することは、「チェーンウォーキング」と呼ばれ、この戦略は近年有機合成に利用されている。我々は、C–H活性化とチェーンウォークを融合させ、様々なアルケンを用いた遠隔官能基化の簡便な手法を実現した。配向基としてイミノ基を用い、イリジウム触媒の配位子としてジホスフィン配位子BINAPを用いた場合、官能基を末端に持つ直鎖アルキル鎖を、官能基を持つアルケンとの反応によってオルト位に設置することができた。本反応は、官能基耐性が高く、広い基質で適用可能であった。