表題番号:2022R-015 日付:2023/03/30
研究課題花崗岩類と熱水性鉱床の生成に対する野外調査および鉱物―熱水間実験によるアプローチ
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 創造理工学部 教授 内田 悦生
研究成果概要

ベトナムのコントゥム地塊の南部には二畳紀のBen Giang-Que Son 花崗岩類と三畳紀のVan Canh 花崗岩類が広く分布している。両花崗岩類の大きな違いは、前者がイルメナイト系花崗岩類であるのに対し、後者が磁鉄鉱系花崗岩類であることにある。この違いは、Son Ma海の海洋地殻がインドシナ地塊の下に潜り込むことによって生成されたアダカイト質マグマが大陸地殻に貫入した時の大陸地殻物質の取り込み量の違いとその中の有機物の量の違いによって両者の違いが生じたと考えられる。すなわち、Sr同位体比初生値から判断してBen Giang-Que Son花崗岩類はVan Canh花崗岩類と比べて有機物を含有する大陸地殻物質を多く取り込んだと考えられる。