表題番号:2022R-005 日付:2023/04/10
研究課題大脳皮質領野特異的神経回路の構築原理の解明
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 教授 花嶋 かりな
研究成果概要

哺乳類特有の脳組織である大脳皮質は、投射標的や形態が異なるニューロンから構成される6層構造を、領野ごとに修飾した秩序だった神経回路網を構築することで、視覚や聴覚、体性感覚ごとの固有の情報を処理している。この領野特異的神経回路がつくられるメカニズムについては、内因性の分子プログラムと末梢器官からの感覚入力が重要な役割を担うことが考えられてきたが、双方の寄与については不明であった。本研究は領野特異的神経回路の構築原理を明らかにするために、大脳皮質神経幹細胞から時期特異的に産生されるニューロンを遺伝学的に標識・追跡するシステムを用い、新生ニューロンの時空間的分化動態について解析を行った。さらに大脳皮質領野間における新生ニューロンの統合パターンの解析により、胎生期に産生される神経前駆細胞と分化後の領野特性を直接的に検証することが可能となり、大脳皮質領野の回路構築機構の一端が明らかになった。