表題番号:2022R-004 日付:2023/04/01
研究課題東京臨海部を対象とする「21世紀型都市」の時間的・空間的構造の社会学的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 教授 若林 幹夫
研究成果概要
今日、産業構造の転換、情報化と消費社会化、グローバル化などにより、20世紀的な近代都市は社会的にも文化的にも変容し、都市空間の物質的な構造も大きな転換の中にある。こうした都市のあり方を本研究は、「21世紀型都市」という概念で対象化し、検討した。具体的には、日本を代表する巨大都市の一つである東京の中でも、都市空間の再編と新たな形成が活発に行なわれている東京臨海部を主たる対象として分析・考察を行なった。水上交通の場であると共に、埋め立てによる土地の社会的生産を通じて社会の変化に対応する諸空間・諸施設を生み出すことで、臨海部は20世紀の東京の巨大都市化を支えてきた。今日その空間は、従来の都市空間のスケールを超える巨大な立地や建造物によって旧来とは異なる対象性をもつ空間となりつつあり、そのような空間を対象化するデジタル情報ネットワークが、都市の新たな位相を形成していることが確認された。