表題番号:2022C-667 日付:2023/04/04
研究課題大原来迎院における如法懺法成立背景の検討
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) グローバルエデュケーションセンター 助手 矢島 正豊
研究成果概要
本研究では、大原来迎院で修されていたとされる如法懺法の成立背景を検討した。その結果、如法懺法の存在は天台僧良忍(1073-1132)以前には確認ができなかった。また、鎌倉中期の塔阿弥陀仏撰『如法経手記』によれば、平安院政期から鎌倉初期の叡山には如法懺法の次第に対する疑義があったとされる。よって、如法懺法は古くから修されていた儀礼ではなく、良忍によってつくられた可能性が高い。ただし、良忍の関連文献からは如法懺法の詳細を窺い知ることはできなかったため、湛智(1163-1273?)記『如法懺法行儀』から次第や行儀の詳細を検討し、その成果を第64回天台宗教学大会にて発表した。今後は如法懺法以前の儀礼の様相を考究することが課題となる。