表題番号:2022C-628 日付:2023/04/05
研究課題ALK陽性非小細胞肺がんのdrug-tolerance機構の解明
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 先進理工学部 教授 仙波 憲太郎
研究成果概要
ALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)細胞株NCI-H2228を長期間ALK阻害剤に暴露したところ、ALK下流シグナルは暴露9日目で回復し、ALK阻害剤に耐性となった。しかしその細胞を阻害剤のない条件下で2週間培養すると、ALK阻害剤への感受性が回復したことから、NCI-H2228がdrug-tolerantな状態に移行することが確認された。In vivoで評価を行うためにNCI-H2228を肺、骨、脳に移植し、造腫瘍能を確認した。今後はdrug-toleranceに関わる遺伝子を同定するためのスクリーニング系の確立を行う。また骨転移株の樹立を行い、ALK阻害剤への感受性評価を行ったところ、新たな骨転移メカニズムを解明できる可能性が示唆された。in vivo selectionの繰返しによる高転移株の樹立と解析により、ALK陽性NSCLCの転移メカニズムの解明を目指す。