表題番号:2022C-604 日付:2023/04/07
研究課題中小企業における被買収企業のパフォーマンスの変化とその決定要因
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学学術院 商学部 准教授 山野井 順一
(連携研究者) 早稲田大学 教授 久保克行
研究成果概要

本研究課題は、東京商工リサーチ社(TSR社)との共同研究として、2011年から2018年の日本の未上場企業を対象に、買収が被買収企業のパフォーマンスに与える影響について、統計的に分析を行った。未上場企業の買収については、未上場企業のデータが利用可能ではないため、既存研究では十分な定量的な知見が得られていない。本研究はTSR社が有する約300万社の未上場企業のデータから、株主が「個人」から「法人」に移行した事例を買収とみなし、買収対象企業のパフォーマンスの変化(売上、従業員、売上/従業員)がどのように変化したかをDifference-in-differences(差分の差分法)並びにイベントスタディによって分析をした。特定された買収発生件数は7,840件である。結論としては、1.買収は対象企業の売上/従業員数を統計的に有意に増加させる、2.買収の効果は、買収企業が対象企業と異なる産業の場合、高くなる、である。