表題番号:2022C-589
日付:2023/03/05
研究課題「人間の条件」を再規定するための「自然」概念の再考
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
---|---|---|---|
(代表者) | 法学学術院 法学部 | 准教授 | 中村 隆之 |
- 研究成果概要
- 本研究は「人新世」の問題意識のもと、「自然」と人間との関係性を踏まえたうえで「人間の条件」を思索するものである。この課題に取り組むにあたり、近年のレヴィ=ストロース以降の人類学における西洋近代の文化/自然の把握の根本的相対化が重要な鍵になる。この議論を人間の「本性」としての「自然」の変容と捉える場合、技術との関係が問われてくるが、上述の議論では、ハイデガー的技術批判論は人間中心主義的や普遍主義的だとして乗り越えたものとみなされる。ところがデジタル・テクノロジーによる人間の条件の変容を考えるには、本性が問題となる以上、人間中心主義的に立ち戻るほうがむしろ適切であり、この意味で技術批判論はなおも有効な視座である。こうした議論の錯綜をひとまず確認した。