表題番号:2022C-587 日付:2023/03/03
研究課題現代ロシア憲法における国家緊急権の背景と機能
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 法学学術院 法学部 教授 渋谷 謙次郎
研究成果概要
現行ロシア憲法には、国土が侵略された場合の戒厳令導入手続や、大規模な災害・天災および内乱が発生した際の非常事態導入の手続に関する条項があり、いずれの場合も大統領令を通じた各種権利の制限が可能である(立憲独裁的な国家緊急権)。本課題では、2020年以降のコロナ禍および2022年以降のウクライナ侵攻を題材にこの問題を検証したが、憲法上の国家緊急権は発動されることなく、通常の立法で実質的な諸権利、自由の制限が行われ、その意味では、立憲主義の機能が著しく低下していることが見てとれる。これらの問題について、若干の法学雑誌で中間的な成果を公表し、また投稿中でもある。