「科学技術社会論」を援用し、20世紀の最初期、米国において、蒸気・電気・内燃機関の三種のパワートレーンがほぼ同じ割合で採用されていたにもかかわらず、自動車に対する社会・文化的イメージの変化を契機として、内燃機関車が一気に優勢になったとする先行研究を踏まえ、今日の電動化においても、自動車に関する社会的認知が重要な役割を果たすという議論を提出した。「経済社会学・組織研究」を援用し、次世代自動車産業に関わる自動車メーカー間のダイナミックスを理解するために、社会学的「場の理論」（field theory）が有効であることを確認した。「移動研究」の視点から、次世代自動車利用者の社会的認知に関して、聞き取りを行った。