表題番号:2022C-536 日付:2023/08/28
研究課題パスカルの『パンセ』における聖書 (3)
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 国際学術院 国際教養学部 准教授 檜垣 樹理
研究成果概要

一般読者に限らず研究者にとっても、『パンセ』にある数多くの聖書の出典には不明瞭で解明されるべきものが多い。数ある既存研究を今新たに見直した上で、パスカルにおける聖書の出典の位置とその特徴を現代のコンテクストから明らかにする試みは有用と考える。


初年度は、主に『パンセ』に置けるパウロの書簡が占める中心的位置に注目して、「メモリアル」をヒントにパスカルの聖霊体験の考察を深めたが、2年目はパスカルの霊性、聖性についての考察をさらに深め、パスカルのキリスト教思想が与えたインパクトを、日本のコンテクストに位置付ける作業も行った。3年目は17世紀の聖書についての資料収集及び先行研究の確認を行い、同時に、本研究の現代思想のコンテクストにおける意義と貢献についてより踏み入った考察を開始した。