表題番号:2022C-514 日付:2023/03/07
研究課題間接的要求に付随する非言語行動の検討
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 人間科学学術院 人間科学部 准教授 関根 和生
研究成果概要
 本研究では,直接的要求と間接的要求における言語・非言語行動の相違を検討した。32名の成人がペアとなり調査に参加した。各ペアは全て初対面の者同士で,1人が要求者,もう1人が要求に答える応答者となった。呈示した要求シナリオに沿って,要求者は間接的もしくは直接的に要求することが求められた。その結果,両要求条件下で笑顔,困り顔,視線の逸脱,自己接触行動,ヘッジ,有声休止など,多様な言語・非言語行動が使用されていた。だが,これらの行動は,いずれも直接的要求条件で有意に多く使用されていた。この結果は,要求行動がマルチモーダルに達成されていることを示してる。また,直接的に要求する際には,要求から生じる心理的負荷を緩和させるために,要求者は非言語的行動によって他者への配慮や負債感を伝達しながら,メッセージの強さ調整していることが示唆された。