表題番号:2022C-506 日付:2023/03/28
研究課題1950ー60年代中国の対日知識人工作
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 助手 駱 豊
研究成果概要

本研究は中国の地方公文書館における対日接待工作の文書に基づき、中国の対日知識人工作を明らかにした。本年度中に、研究成果として「日中歴史家ネットワークの端緒:一九五〇年代から国交回復までの歴史家交流を中心に」(『和解学叢書:和解のための新たな歴史学』明石書店、2022年)が発表された。本論文は日中国交回復前に行われた歴史家交流を概観し、歴史家交流は日本側の歴史家によって積極的に推進され、中国側は政府の対外戦略の一環としてこれに応じたことが分かった。その際、中国の歴史家は政府からの強い指導を受けた。中国政府は自国の研究者に対する政治指導を行ったうえで、政府の対日戦略に合致する交流を推進した。中国の歴史家の日本への派遣と日本の歴史家の中国への招待は、中国のプロパガンダと対外戦略の一環であった。