表題番号:2022C-503 日付:2023/04/07
研究課題「文化提携」をめぐる日中の諸相と模索 ――「対支文化事業」を事例として――
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 社会科学総合学術院 社会科学部 助手 桑原 太朗
研究成果概要
 本研究では、近代における日本側知識人たちの「対支文化事業」に関する言説と中国側知識人たちの「対支文化事業」に関する言説を明らかにした。新たな知見は以下の3点である。① 第一次世界大戦を契機とした世界的な文化交流の機運を日中が東アジアの文脈で再解釈したことを発見。② 中国側アクターが日本の「対支文化事業」に対して積極的な意義を見出す論理を発見。③ 国際連盟を中心としたリベラル知識人たちの考える文化交流と「対支文化事業」において想定される文化交流のありかたの異同を確認。これらの成果は共著『和解のための新たな歴史学 : 方法と構想』(明石書店、2022年)に反映された。