表題番号:2022C-502
日付:2023/04/07
研究課題先端科学技術のリスク政策における「予防原則」と「ナッジ」の相関性検討に関する研究
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 社会科学総合学術院 社会科学部 | 助手 | 中山 敬太 |
- 研究成果概要
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本研究成果としては、先端科学技術のリスク政策を事例に、国内外の先行研究を踏まえ、「ナッジ」と「予防原則」に関する政策適用等に際して、その特徴とアプローチについて検討・分析をした結果、双方の関係性(共通点や相違点など)や相関性を見出すことができた。具体的には、先端科学技術のリスク政策に際して、「ナッジ」と「予防原則」の相互補完的かつ段階的(二段階)なリスク政策アプローチにより、「予防原則」に基づく法的予防措置等を講じるまでを繋ぐ手法の一つとして「ナッジ」による効果を一定見出すことができる可能性があることが分かった。また、先端科学技術の不確実性を伴うリスクを事例とした場合、行政機関が直接的に企業(事業者)に「ナッジ」が適用されるか否かの問題に対しては、エンドユーザーである個人(消費者)へ「ナッジ」によるアプローチを実施することにより、間接的に企業側へ「ナッジ」の波及的効果をもたらすことに繋がり、それは実質的に企業側に対する「予防原則」の考え方に基づく間接的な規制アプローチの構築にも繋がる可能性が示唆された。