表題番号:2022C-465
日付:2023/09/09
研究課題安定性変化機構によるアラビノース応答転写因子のリガンド認識改変と進化能の調査
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学術院 先進理工学部 | 助教 | 木村 友紀 |
- 研究成果概要
- 転写因子のスイッチ機構を安定性変化型機構とすることによって,容易にバイオセンサを開発できると期待される。アラビノース応答転写因子AraCは,リガンド結合部位を形成する5ヶ所のアミノ酸残基に変異が同時に導入されることによって,サリチル酸にアロステリック応答,すなわち構造変化型スイッチ機構によって応答することが知られている。本研究では,この5箇所のアミノ酸残基を野生型または変異体となるように,バイナリで組み合わせて全32個の変異体を創出し,サリチル酸応答を構造変化型と安定性変化型の両機構で解析を行った。構造変化型での解析では,文献既知の変異体のみがサリチル酸に応答したが,驚くべきことに,安定性変化型での解析では半分以上の変異体がサリチル酸に応答した。この結果は,新規化合物に応答するバイオセンサを開発するにあたって,安定性変化型機構を採用することの有効性を示している。
本年度の研究成果とこれまでの研究成果を併せて,英国で開催された合成生物学に関する学会にて報告した。