表題番号:2022C-461 日付:2022/09/07
研究課題宇宙反物質粒子探索実験のための検出器シミュレーション構築
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 国際理工学センター(理工学術院) 准教授 田中 雅士
研究成果概要
物質優勢の宇宙において、宇宙空間より地球に到来する宇宙線はその大部分が陽子などの物質粒子だが、ごくまれに反陽子などの反粒子が含まれている。この宇宙反粒子線を検出しその起源を理解する試みは素粒子・宇宙物理学にとっての大きな課題の一つである。特に質量より小さいエネルギーを持つ反重陽子線は、暗黒物質等の未知の反粒子源を探索するために有利となる。宇宙反粒子測定はBESS気球実験(超伝導磁石)およびAMS-02衛星実験(永久磁石)のように磁場中で飛跡を再構成することにより粒子電荷を特定する手法を用いて行われてきたが、申請者は近年発展の著しい液体アルゴン検出器の優れた飛跡・エネルギー再構成能力を生かして宇宙反粒子線識別を行う手法を新たに提案する。本研究では、検出器シミュレーションを構築することにより、宇宙反粒子線探索感度の評価および最適化を行った。