表題番号:2022C-452 日付:2023/04/06
研究課題『匠明』延臣本の写本に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 創造理工学部 助手 高田 圭祐
研究成果概要
新たに存在が明らかになった江戸幕府大棟梁平内家に伝わる大工技術書『匠明』の異本について、その写筆者について考察を行った。本史料は奥書から平内家第十代廷臣により記された「廷臣本」であることが明らかであったが、既に知られている「廷臣本」の写本「米野本」や「大島本」のように平内家以外の人物の写筆ではなく、平内家によって作成されたものであると思われる。内容としては明治30年に大島正橘により写筆された異本に近く、廷臣の子政徳が所蔵していた『匠明』の存在があることも含め、廷臣による「廷臣本」原本ではなく、政徳が写筆した「廷臣本」である可能性が高いと結論付けた。今後は筆跡なども含め、検討したい。