表題番号:2022C-441 日付:2023/04/05
研究課題四国における茶堂の建築と習俗の研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 創造理工学部 准教授 小岩 正樹
研究成果概要
茶堂とは、農村集落ごとに建てられた一間四方程度の三方吹放しの建築である。辻堂とも呼ばれ、旅人の休憩場所であり、集落で接遇する場所、また集落内での儀礼や親交の場でもある。特に四国では、遍路巡礼の盛行に伴い江戸期に成立したと見られ、地域コミュニティのあり方や、地域の外部への接触のあり方など、文化的背景を含めて特徴的であるが、巡礼や集落構成、交通手段の変化により、茶堂は失われつつある。したがって、本研究では現存する茶堂建築および行われる習俗の記録を行い、それを通じた接遇の仕組みを、歴史的観点から考察することを目的とする。本年度は、高知県梼原町の茶堂を対象に、建築の実測調査と図面作成、写真撮影記録、行事の聞き取り記録を行い、立地条件を含め、成立要因等について考察した。