表題番号:2022C-426 日付:2023/02/05
研究課題カオス現象に対する統計解析の深化
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 理工学術院 基幹理工学部 講師 劉 言
研究成果概要

数理モデルではカオス現象が理論・応用とも広く確認されている.バタフライ効果に代表される初期値鋭敏性のお話がすでに多くの知るところとなっているし,マルサスの人口論でも見られるような人口成長モデルに潜んでいるカオティックな振る舞いが自然科学と社会科学の間にかかる壮挙を成す架け橋となっている.これまでの分析は決定論的モデルに基づくものが多く,通常,ノイズの伴う実データにおいてどのような統計解析ができるかが興味深い問題の一つとなっている.計量経済学では金融収益の時系列観測におけるカオス性検出問題が長年,研究されてきている.本研究ではリサンプリング法に基づく新しい検定統計論を展開した.