表題番号:2022C-423
日付:2023/03/29
研究課題離散ディラック系の定式化と構造保存型積分法の開発
研究者所属(当時) | 資格 | 氏名 | |
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(代表者) | 理工学術院 基幹理工学部 | 教授 | 吉村 浩明 |
- 研究成果概要
非ホロノミック系は,ディラック系による定式化が有効であり,特に,連続ディラック構造は,配位多様体上の非ホロノミック拘束とその余接バンドル上の正準シンプレクティック構造から誘導できる.本研究では,連続系の理論を離散系へ拡張することが目的であるが,特に,これまで導入が困難であった,離散ディラック構造について,連続系の正準シンプレクティック構造から離散シンプレクティック写像を新たに導入し,連続系とのアナロジーによって離散ディラック構造を定義することに成功した.また,これまで熱力学タイプの非線形かつ非ホロノミックな拘束を許容するディラック系として,主としてラグランジュ関数をもとにしたラグランジュ・ディラック系についての考察に留まっていたが,本研究では,ラグランジュ関数が非退化な場合について,ハミルトン系に拡張できることを示し,具体例として,単純な非平衡熱力学系に応用することに成功した.