表題番号:2022C-409 日付:2023/04/04
研究課題中世スコラ哲学における徳認識論の可能性
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学学術院 商学部 准教授 辻内 宣博
研究成果概要
 本研究では、「知識とは正当化された真なる信念である」という知識の古典的定義に関して,この正当化条件をめぐる現代知識論を視野に入れ、徳認識論(徳責任主義)という立場を打ち出したリンダ・ザグゼブスキの理論を、中世スコラ哲学の観点から批判的に検討することを趣旨としていた。
 その課題を遂行するために、トマス・アクィナスの罪の理論を精査することにより、正当化されず、真っ当な知識にならない理論モデルの検討を行い、正当な知識とは逆方向からのアプローチを採用した。
 その結果、われわれの日常的な実践知において、正誤の要となるのが、(実践的)三段論法の小前提の知をどのように獲得するかという点にあることを析出した。