表題番号:2022C-405 日付:2023/04/05
研究課題21世紀初頭における英語言語活動の変化状況:gender への配慮を中心に
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 商学学術院 商学部 教授 森田 彰
研究成果概要
  本研究の最終目的は、20世紀後半の Politically Correct (PC) とは違った文脈で顕著になっている diversity  に配慮した英語の運用、表現を分析することによって、その知見を日本の英語教育、特に中等・高等教育における英語教科書、教材開発に活用することにある。その前段階として、特に gender に関する英語運用・表現について、ウェッブ上でも調査可能な、公的な文書について、調査を継続した。分析の焦点は、昨年度に続き、she/he に代わる they の用法である。特にフランス語、ドイツ語、スペイン語など文法性を持つ言語に比べ、英語では、英語教材も含め多くの場面で使用されていることが確認できた。また一方で、2023年に入って、著名な児童文学者 Roald Dahl の作品が出版社によって「不適切な表現」が修正され出版されるに至ったが、これには批判も起こり、オリジナル作品も並行して出版され続けることになった。1980年代に高揚した PC 運動とは違った展開が現れている。これまでの研究の成果は、外国語教育メディア学会中部支部第100回研究大会の講演でも発表する予定である。また、現在作成中の DLA のビデオ教材 Ready to Run をベイスにした大学向け英語教材(成美堂)にもその成果を活用する予定である。今後は、コロナ状況の改善とともに、研究の範囲を英語圏での調査にも広げたい。