表題番号:2022C-395 日付:2023/04/01
研究課題養殖業経営体による取組みに着目した日本の養殖業の存続に関する地理学的研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 教育・総合科学学術院 教育学部 助手 穂積 謙吾
研究成果概要

本研究では,日本の海面養殖業における特定の経営体への生産の集約化という現象を踏まえ,残存する経営体が生産活動と出荷活動を通じてどのように経営を維持しているのかを,具体的な地域における事例を基に検討した.本年度は,①宮城県のギンザケ養殖業経営体における生産額の増加,②大分県佐伯市の魚類養殖業経営体における赤潮への対応,③岩手県陸前高田市のカキ養殖業経営体における震災復興を詳細な検討課題とした.その結果,①については多様な生産活動を通じて経営体当たり生産額が増加していたこと,②については魚の斃死を防ぐとともに魚の成育を回復させるための生産活動を通じて赤潮の影響を軽減していたこと,③については経営体間の協業的活動を通じて復興を遂げた地区と各経営体の個別的活動により復興を遂げた地区が存在することを明らかにした.