表題番号:2022C-372 日付:2023/03/30
研究課題急傾斜採炭の職場史に関する研究
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 助手 清水 拓
研究成果概要
 本研究は日本石炭産業における急傾斜採炭の職場史の解明を目的としたものである。石炭産業の生産・労働は、石炭層の賦存条件によって強く規定され、炭層傾斜によって全く異なる技術体系がとられた。本研究では、その技術体系の相違が労務管理にも波及していることを明らかにするための予備的調査として、三井芦別炭鉱の採炭方式、生産組織、労働態様に関する基礎的資料の収集を実施した。急傾斜の三井芦別では機械化が困難だったため、人力依存の採炭方式が成熟しており、常に変動する現場の自然条件に対応した機動的な人員配置を可能にするために「流動配番」が採用されていたことが明らかになった。