表題番号:2022C-369 日付:2023/04/04
研究課題抽象的音響への好みの種間比較
研究者所属(当時) 資格 氏名
(代表者) 文学学術院 文学部 講師 田中 雅史
研究成果概要
本研究は、世代を超えた文化伝達において新文化への好みが形成される要因を、ヒトのみならず、キンカチョウという、ヒトのように自発的に音声の文化伝達を行う能力をもつ鳥を対象に解明することを目的としている。本年度は、無調音列を元に作成した人の歌を人から人へと伝達されていく実験を行い、教師となる人の顔が見える社会的条件で、歌のピッチやリズムがより正確に伝達されることが示唆された。また、社会的条件で新奇な音響を聞いて育ったキンカチョウは、これら音響を模倣することが明らかになったが、必ずしも顕著な嗜好が形成されないことも示唆された。今後さらに嗜好形成にかかわる要因を詳細に調べ、文化伝達との関連を解明したい。